愛車を守る快適空間 カーポート

戸建てのエクステリア(外構)の一つに、車を雪や雨から守ってくれるカーポートがある。山陰では特に冬の降雪対策として、カーポートへの関心も高く、新築の購入時やリフォームのタイミングで、設置を検討する人は多い。
主なメリット
カーポートは、屋根と柱だけの❝簡易車庫❞といわれる。停めた車の横や後ろに壁がなく、乗り降りや荷物の積み下ろしがしやすいのが特長でもある。個人住宅向けは1~4台用が一般的。
ガレージのように四方を壁に覆われていないため、「紫外線と雨を完全にカットできない」「横からの風に弱い」「防犯性が低い」などの理由で不要論を唱える人もいるが、青空駐車と比べれば、屋根があるだけでも効果は十分実感できる。
例えば、降雪時の車の雪下ろしが不要になる。冬の寒い朝、出勤前などに車に積もり凍ってしまった雪を落とす面倒な作業から解放される。霜を防ぎ、フロントガラスの凍結を車内の暖房で溶かす時間が短縮され、忙しい時間帯のストレス軽減につながる。
また、鳥の糞をはじめ、黄砂など自然の飛来物から車を守ってくれる。上空や電柱から排泄されることが多い鳥の糞で車が汚れることはほぼ回避できそう。さらに、車体を傷める紫外線を防ぐことで、塗装はもちろん、車に使われているゴム素材などの劣化を抑えることも期待できる。
失敗しない選び方
カーポートには柱の数・位置、屋根の厚み、素材、屋根のデザイン(平板、ラウンド、透明)などのラインナップが充実。床にはコンクリートや砂利が使われることが多い。
設置には、専門業者による基礎工事と設置工事が必要で、その費用は構造やデザイン、大きさ、素材などをどうするかで、大きく変わってくる。当然、強度が低く安価なものは、台風などの自然災害で破損するリスクも伴う。山陰地方では大雪でカーポートが倒壊する事例も報告されており、積雪量を考慮したカーポート選びも重要だ。
設置を検討し始めたら、近隣住宅のカーポートを見比べながら、自分のイメージに合ったものを探しておいてはいかがか。
(2022年10月6日付「2022秋の住宅特集」参照)